襟裳岬手前まで来て思うこと。(北海道1周22日目)

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宿の朝

この旅のほとんどはテント泊(野外泊)であったから、屋内で寝られるのはなかなかに幸福度が高い。
雨風がしのげるライダーハウスに泊まることはあったけれど結局誰かと雑魚寝であったため、充分に寝られると言うわけではない。

だから

久々に一人で布団に寝て、こんなに気持いいのかと実感してしまった。

朝ごはんはがっつり
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半熟温泉卵がどろどろで美味しかった。思わずおかわりした。

ありがとう晩成温泉
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ちなみに受け付けのある温泉の外観はこれ
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広尾のセイコーマートにて、スタートして間もないチャリダーと遭遇した。
とりあえず食べるものを買って合流。

ようかんぱん
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これは多分クリームが入っているから美味しい。そんな気がする。

そのチャリダーは東京から来ていて反時計回りで1周するらしい。要所要所で寄り道するから長くなると言っていた。
来た道のことやこれまでに聞いてきた話をしていた時に

とうとう誰かに伝える側にいるんだなあ

としみじみ実感した。


見送られながら颯爽と駆け出す。

えりも黄金トンネル4941m

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いやあ長い。長いよ。

小樽から札幌までトンネルがかなり連続するところあったなあ
と思い返しながら進んだ。実際、あのときは横いく車が怖くて体中が固まって筋肉痛なり神経痛なりで苦しんだ記憶がある。今となってはたいして体がしんどいとも思わないけど、寒さには耐えられなかった。

雨具あって良かった。




いい景色の中で走るのは最高だと心から感じられるくらいに余裕あるチャリ旅になってきた。
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ちなみにこの標識がずっと謎だった。
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この動物の絵柄は見るたびに変わっていて、クジラもいたし熊もいた。

百人浜オートキャンプ場

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場内は広くフリーサイトだけでなくロッジみたいなやつもあった。

自衛隊の人がオフでキャンプしにきていて実益を兼ねた趣味だなあと思った。
この旅の中でチャリダーでも自炊をして楽しんでいる人をたくさん見てきた。調理器具等は走行中は余分な重さだと思っていたから選択肢から除外していたけど、旅を楽しむには必要だとつくづく感じた。米を炊けば、カレーを掛けたり、地元のお惣菜と一緒に食べたりできるし、ちいさいパンがあれば肉も焼ける。
こればっかりは旅に出ていないと分からないことではあったから、結果として収穫になったと思う。



今日の風呂はキャンプ場の近くにある地域住民のための大衆浴場。(名前は忘れた。)
特に温泉が出ているとかではなさそう。いわゆる高齢者センターみたいなやつ。

上がりの一杯
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明日は最後の難所襟裳岬に挑む。



本日の進んだ距離は77km。
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しばらく。でした。

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晩成温泉に一泊。(北海道1周21日目)

朝、雨も上がって。

銀鱗荘のおかみさん。夜にビジョビジョでやって来たのにも関わらず優しくしてくれてほんとにありがとうございました。

同じ部屋だった二人、この先会うか分からないけど会った時はどうぞよろしく。

お元気で。

昨日はほぼほぼ心が折れかけていたけど、朝になってみればなんてことなかった。

しんどいと思うことがあっても、今日たどり着きたい場所があるからこそ、止まることができなかった。そんな日を繰り返していたら、落ち込む隙なんかないから嫌でも前向きになっていた。だから今日も次の町を目指す。

さよなら釧路。本当は行きたいとこたくさんあった。今度は是非とも伺わせていただきます。
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小雨をゆくゆく、道すがら。

道の駅しらぬか恋問
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「こいとい」
と読むらしい。
響きすごくよくないすか?
こいとい。良き。
きっと景色もいいんでしょうな。晴れてれば。
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昼飯は音別の味閣なんてどうでしょうか?

昼頃音別で偶然見つけたお店。

メニューはこんな感じ
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頼んだのはこちら。
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塩ラーメンと豚丼のセット。
がっつり食えて最高だった。

1038号線を進まれよ

もちろん38号線を進んでも行けるが、白糠~大津までは1038号線を自転車で駆け抜けるのをおすすめしたい。
交通量も少なく道路が綺麗なので、海岸沿いの道の中ではかなり気持ちよく走れた。

晩成温泉

多少雨がぱらつくなか到着。今日は温泉に泊まることにした。
一回くらいは泊まってもバチは当たらんだろう。
最後の難所前にしっかりと休憩をとる。

びしょびしょのままでいるのもあれだねってことでチェックイン前に温泉に行った。
ここ晩成温泉は世にも珍しいヨード温泉だそうだ。
ヨードとはあのヨードチンキでお馴染みのヨウ素。殺菌作用が高く、色は赤茶けていて、匂いが独特。らしい。
またここではサンセットがが見えるらしいけど、今日は曇りだからまず見られないだろう。
浴場は大きめの内風呂が1つと小さめの内風呂が1つ。サウナと水風呂もあった。外は出られるみたいだけど風呂はないみたい。とにかく匂いが凄かった。鼻をつく刺激臭。すぐ慣れたけどヨード全開で驚いた。
昨日くらった30箇所を越えるふくらはぎの虫刺されが激烈にしみた。実際この風呂に入った次の日から虫刺されは気にならなくなったからホントに効果はあるみたい。

風呂上がりの一杯
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いや~気持ちいい。
今からテントを張らなくていいのかと思うと気持ちが軽かった。


そのまま

軽やかにチェックインを済ませとりあえず夕飯をいただくことにした。

夕飯はこちら。
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ご飯おかわり自由だった。

なんやかんや今日はたくさん食べる1日だった。

部屋はこんな感じ。
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一人にしては広かった。
贅沢だと思った。


このまま行けば天気のいい日に襟裳岬に行けるはず。


本日の進んだ距離は111km
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しばらく。でした。


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山道でつぶれた前輪を見て思うこと。(北海道1周20日目)

納沙布岬にはいかない。

昨日の夜、チャリダー同士で明日の天気についてずっと心配していた。風向きと雨が止むかどうかがポイントだった。昨日の夜の時点では西から吹く風が強くなる予報で、雨もちらほら降るらしかった。


今朝になってみれば、雨はぱらつくかもしれないが午後からからは止んで、幸運なことに風向きが東から吹く風に変わっていた。

この旅で何度目のラッキーだろうか。


午前中の風が結構強く、追い風の中でどれだけ進めるか重要だなと思った。

だから納沙布岬にはいかなかった。
天気が悪い岬に行っても宗谷岬みたいな感じになるだろうし…

多少雨がぱらつく中ライドオン。

出会いと花咲ガニをありがとう、インディアンサマーカンパニー。

44号線を東に爆走。

雨は降ったり止んだりを繰り返した。昨日つらかった坂も疲れがとれたせいかさほど気にならなかった。
先のライダーハウスにいた夫婦チャリダーは霧多布岬に行くらしい。
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走っていると
あのチャリダーはだいたいこの辺を走っていくんだろうな
なんて考えてしまう。
通ってきた道でもそんなふうに思えるから北海道中に散らばるチャリダーのことを考えるのは結構楽しい。
走っている時は坂でもない限り暇なため、だいたいそんなことを考える。あと鼻歌。

そして、厚岸を目指してのんきに走っている時、問題は起きた。

つぶれた前輪、不届きもの許すまじ。

どうして、こんな道に画びょうが落ちているんですか?
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ちょっとほろっちゃった♪

っていうレベルじゃない落とし物。



パンク修理は事前にレクチャ―を受けていたため、無事に直すことができた。
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それでも


空気を入れている時、

パァンッ!

と炸裂音が鳴り響いて見てみると、チューブの空気を入れる管の根元が大きく破れていた。

多分劣化が進んでいたらしい。
小樽で自転車屋に寄っていて本当にによかった。
あの時買っていたチューブがここで活きてくるとは。

おじさんありがとう。

そうして

チューブを取り外そうと、作業に取り掛かったとき更なる問題が起きた。


チューブが外れない!

チューブとホイールを固定する金具が外れず、チューブが取り外せなくなっていた。
劣化しすぎて人の手では金具が回せないほど固まってしまっていた。
オイルを差したり、いろいろ外れるように工夫してみても全く外れる気配がなかった。

こりゃやばいぞ

現在15時。次の厚岸までおよそ10㎞。


歩こう。


とにかく歩くしかない。そう思った。
雨も降っていて、なかなか心が折れかけたけど、

ここで夕暮れを迎えるわけにはいかない。

ただその一心で歩いた。


歩いて3㎞くらいしたところに施設が見えてきた。


厚岸水鳥観察館


建物を見て本当に泣きそうになった。
建物の受付で思わず、

助けてください!

と言ってしまったのはいい思い出。


出てきたおじさんが心配そうに話を聞いてくれて、

もしかしたらここにある工具で直せるかもしれない


といって、ラジオペンチと大きめの空気入を貸してくれた。

本当に助かった。


その代わり直しているときは止まっているから、ふくらはぎに集中して30箇所くらい蚊に食われた。


ジャガイモみたいだった


お仕事中、お訪ねしてすいませんでした。
本当にありがとうございました。


なんとか厚岸に着いた。時刻はすでに17時だった。

ここで進むかどうか悩みだした。
正直に言えば、パンクしたことが悔しかったのである。


こんなトラブルに負けてたまるか。

そんな思い。


結局、40kmくらい先の釧路を目指すことにした。
すぐに釧路にあるライダーハウスに連絡し

「今から行きます。着くのは遅くなりそうです。」

との旨を伝え、手持ちにある食べ物を掻き込んでから出発した。


釧路までの道の大半は山道で割りとアップダウンがあった。
夜が近づくにつれて暗くなり、ライトがないとこも多くあって、かなり怖かった。

振り返れば初めての夜間走行だった。
暗闇の中、ヘッドライトが照らす少し前を信じて進む。

霧雨だった。

とにかく進むしかなかった。


最終的に

ライダーハウスに着いたのは20時位だった。


ついてからはほっとし過ぎて記憶が曖昧だけど、相部屋の人たちが優しかったのはよく覚えている。

山道で前輪がつぶれ、運よく近くに人がいる施設があった。
確かに山道に画ビョウが落ちていたのは許せなかったけど、それ以上に何故こんなに幸運があるのかの方が不思議だった。

感謝の意を伝えることしかできないのが不甲斐ない。だから誰かに優しくしたくなる。
自然とそう思えたし、多分この感覚を

体感した

と言うのだろう。

この旅でたくさん助けられた。
これからはちゃんと返していこう。

つぶれた前輪にそう誓った。




本日の進んだ距離は125km
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しばらく。でした。


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