ただいま函館、ありがとう北海道。(北海道1周28日目)

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朝の景色

朝の大沼
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朝起きてこの景色が見られるのは贅沢なことだと思う。

洗い場にて、ヒッチハイクをしている人と話した。
大阪から来たそうで、トマムを目指して来たらしい。
雨の予報がでていたので、今朝晴れたことに二人で喜んだ。

沢山の話をした後、お礼といってバナナをくれた。そのとき何もお返しできるものがなかったから、お守りにしていたギターのピックをあげた。

上手くいくといいね。

そのあと、柴犬を連れたおじさんにも話しかけられた。
柴犬は小さく、紐に繋がれていなかった。それでもおじさんのあとをついて歩いていた。

おじさんがトイレに入っていくとちゃんと外で待っていて、可愛かった。

最後のキャンプを存分に楽しんだ。
鹿部町にあるコンビニを目指す。

道の駅までの道

コンビニより先の道は高低差もなく気持ちよく走れた。それでも、ゴールまであと100km切っていることを意識しないで走ることは難しかった。
なるべく前に集中して走ることだけに気を付けたお陰で事故になることはなかったが、いつも以上に気疲れした。

途中のコンビニで神様を自称するおじさんに出会った。神様は冗談だろうとは思うけど、
「俺に会ったんだから、お前は大丈夫だ。」
といってもらえた。
なんにせよ、応援されたのだと思えば心強かった。

道の駅なとわえさん

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昼前位には道の駅に着いた。人はほぼほぼいなかった。コンビニが近くにあったのでそっちで昼飯を取った。コンビニのイートインが1番落ち着く場所になってしまった。
えさん
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途中の山あいを越えるとき以外はずっと平坦な道が続いた。

これまでのことを思い出していた。

各地で出会った現地の人たち。
新潟のチャリダーさん。
岩内で出会ったみんな。特に兄貴。
石狩の道の駅で一緒に夕日をみたおじさん。
みどり湯で一緒になったみんな。

挙げればきりがない。
そのくらいいろんな人に出会えた。

北海道の気候について無知だったこと。
各地の難所のこと。
2度もパンクしたこと。
気持ちが続かなかったこと。
それでもなんとか今も走れていること。
経験は1番の財産だってだれかが言っていたけど、本当にそうだと思った。

最後のセイコーマート
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最もお世話になったコンビニ。
本当にありがとう。
作ったカードは宝物になったよ。


見えたぞ函館山
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あの反対側にいたんだなあ。
意識しすぎてどきどきが止まらなかった。


函館駅
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終着
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なんとか着いた。
込み上げてくるものは確かにあったが、それ以上に安堵感の方が大きかった。出発したのが昨日のようで不思議だった。しばらくベンチで放心していた。ずっとスタートした地点を見ていた。

本当にゴールできた。

そう認識するのに時間がかかった。


ただいま函館



今宵の宿
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ミートハウス。(写真右の建物)
下調べの時に1番安いライダーハウスだった。
オーナーの人が出て来なくて、待っていたら見たことがある顔が降りてきた。
長万部で会ったチャリダーだった。オーナーは夕方位までは来ないらしい。

荷物上げちまえよ

といわれたのでとりあえずキャリーを外して2階に持っていく。

2階は6畳位の部屋が4つ1周できるように繋がっていた。入り口がある部屋は居間みたいになっていて、椅子が3つに机が1つ、テレビもあった。
チャリダーのおじさんはお酒を飲んでいていかついながらも陽気だった。

おじさんの話ではこのライダーハウスの近くに大正湯という温泉があるが今日は休みなので少し遠い谷地頭温泉に行くと良い。

とのこと。

オーナーさんが来たら伝えておくよと言っていただいたので、お言葉に甘えて谷地頭温泉に向かった。


キャリーのない自転車は驚くほど軽く、そして速かった。

多少迷いはしたものの、現地の人に聞いて到着した。

名湯谷地頭温泉

谷地頭温泉
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今までに入った銭湯では最も大きい温泉だった。カランも数えられないくらいあり(恐らく50を優に越すほど)、人もかなり入っていた。温泉の温度はどれも熱めで露天風呂はちょうど良かった。
上がりの一杯
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最高。

溶けるかと思った。


ミートハウスの夜

ミートハウスの近くにはコンビニやスーパーもあるので食べ物には困らなかった。スーパーで値引きされていた天丼と缶酎ハイ買ってミートハウスに戻る。
戻るとおじさんはまだお酒を飲み、野球中継を見ていた。

このおじさん、御年66歳。日本自転車の旅2周目。

すごい。

なぜ2周目なのかというと、日本1周をうたい逃亡していた犯罪者をニュースでみて、日本1周の価値が下がったかららしい。

動機もすごい。

セイコーマートで売っているビールがおいしく、さらに安いとのことで、一杯だけ頂いた。
年齢差はかなりあるものの、話に困るということはなかった。
ゴールで楽しい夜が過ごせて良かった。

ちなみにこの後、予定していたフェリー搭乗日まで何日かあったのでミートハウスに連泊した。その間、おじさんも同様に連泊を余儀なくされていたため、楽しい日々はもう少し続いた。


改めて…
ゴールできて本当に良かったと思う。
はじめの頃はゴールなんて夢のまた夢だったが着いてみれば一瞬だったと感じた。沢山の助けがあって、出会いがあって、そのすべてがゴールへと繋がっていた。

岩内の兄貴は
「1周が終わって帰っていくとき、もう一度やりたくなるよ。」

なんて言っていて、そんなわけあるかいだなんて思っていたけど今となれば、その言葉もわからなくはなかった。

年をとったらもう一度挑戦してもいいかなと思った。


今日の進んだ距離は100km
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しばらく。でした。

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最後のキャンプ、星空。(北海道1周27日目)

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長万部の朝

気分は良かった。昨日午前中しか走らなかったから、体がよく休まったのかもしれない。
天気もよく、嵐の気配もない。
最高のコンディションだと思う。
今日はとにかく長万部から南下して大沼公園を目指す。



テントから外に出れば、長万部キャンプ場はそこそこ人がいた。函館からバイクで来たおじさんに話しかけられた。自転車の人を見るたびに話しかけているそうだ。
話していてなんとなく癖のあるしゃべり方だなあと思って誰に似ているか考えていたら大泉洋ぽいと思った。北海道なまりはこれまでよく聞いていたはずなのになぜかこのおじさんはとてもぽかった。水どうファンの身として久々に興奮してしまった。効果音の言い方とか似すぎなんだよなあ。

長い立ち話を終えて出発の準備を進めた。

とりあえず

市街地のコンビニで朝ごはんを食べて準備を整える。

長万部~八雲

5号線、ひたすらまっすぐでなだらかな道を南下していく。
かなり気持ちよく走れた。八雲まで一瞬だった。
八雲でもオートキャンプ場があるのはチェックしていたが、料金が高いので候補からははずしていた。

その先の森町までもあっという間だった。


道の駅 YOU・遊・もり
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森町にある道の駅。食堂もあるみたいだけど今日は休みだった。
謎のオブジェ
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とりあえず近くにあったコンビニで昼飯を済ませることにした。
コンビニ脇で食べていたらチャリダーが1人こちらへ向かってきた。
宮崎から来たらしく、脳の難病を克服して日本1周しているらしい。同じ状況の人に少しでも希望が与えられればと思い旅に出たそうだ。
これから北上するとのことで、案の定
「北は寒いぞ。」
との旨のアドバイスをした。

熊の話にもなってやはり怖いらしい。

わかる。

旅の始めは確かに熊の影に怯えていたのを覚えているが、徐々に

「熊にあったらそのときはそのときだ。」
と腹が決まっていった。
結局あったらどうしようもないけど、とりあえずその地域ごとの対処方法を道の駅とかで聞いた方が良いとアドバイスした。これも受け売りだけども。知っていて損ではないと思う。

勇敢な背中を見送って、こちらも旅の先を急いだ。


駒ヶ岳
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徐々に近くなってきた。大沼公園に入る手前のコンビニで店員さんに

「東大沼キャンプ場の近くでご飯は食えないですよね?」

なんてきいてみたら

「あーないですねぇ。買っていった方が良いですよ。」
とのこと。

夜と朝の分を買ってキャンプ場へ向かった。

大沼公園北側の道は綺麗で走りやすかった。ちょっとした森林浴にもなって気持ち良かった。


東大沼キャンプ場
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すでにキャンプしている人がそれなりにいて、色鮮やかなテント群で賑わっていた。明日朝は雨になる予報がでていたせいか、湖側ではなく林付近に集中していた。(写真の奥の奥側)
歩道沿いにテントを張り、あたりを散策する。
キャンプ場は静かで落ち着いていた。泊まっている人たちの雰囲気がそのままキャンプ場の雰囲気に溶け込んでいるようでもあった。
美しき大沼
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水際
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非常に美しい。

明るいうちに温泉に向かうことにした。

東大沼温泉 留の湯

道沿いにある標識に従って進んだらがっつりダートだった。
まあ基本的に車だしね。

そこそこの距離をほどほどの速度で進んで温泉に着いた。

温泉はとてもシンプルで、大きめの浴槽が1つと洗い場のみだった。
この旅で初めてタオルをテントに忘れてきて、あがるときは自然乾燥頼みとなった。
管理人のおじさんに

「明日雨降りますかね?」
と現地民の天気予報を伺うことにした。

「明日は朝から降るんじゃねえか?」
とのこと。

できれば明日は晴れてほしいなあと切に願いながら

上がりの一杯
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飲めるだけ飲んどこう。ガラナ
随分飲んだし、すっかり思いでの味になった。

日がくれる前にそそくさと温泉を後にする。

帰りは遠回りになるけどダートを迂回するルートを走った。

キャンプ場につく頃にはすっかり暗くなってしまっていた。


暮れる大沼
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キャンプ場は手洗い場等に明かりがあったが、真っ暗になっているところもあったので星空を見上げることができた。

きれいだと思った。

本当のことを言えば、今日函館に着くこともできた。大沼公園に逸れるのではなく、そのまま南下していけば函館に着くはずだった。

それでは道南の東側をなぞらずに終わってしまう。

些細ことで走っているときは葛藤していた。最後に本当に自分の気持ちが試されたのだと思う。天気が良くないのも知っていて尚更イージーに終わらせたくなっていたのだ。

それでも今日は大沼公園へと曲がった。そのあとに多少の下り坂が続いていて、その道を思いっきり下った。

気持ち良かった。

明日は恵山を回りゴールの函館を目指す。


本日進んだ距離は82km
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しばらく。でした。


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穏やかライド:長万部への道。(北海道1周26日目)

アルトリの朝

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良い。

良い目覚めだ。
起きてこの景色が眺められるのは幸せなことだと思う。この旅のなかでもトップ3に入る位きれいな朝だった。

少しあとの景色
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天気が良いと気持ちも上がる。
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昨日は気づかなかったけれど、チャリダーが来ていたみたい。聞いてみると、結構遅くに来たそうだ。
苫小牧入りで時計回りに1周するそうだ。
談笑もそこそこにライドオン。

バチラー夫妻記念教会堂

アルトリ岬の近くにあるらしいのでいってみることにした。教会はもうすこし巡りたかったけれど、なかなか機会がなかったなあ。

教会外観
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木々に囲われたアプローチを登って、本堂をみる。なかには入れないので外観を眺めるしかなかった。こじんまりとしていて、少し大きめの住宅を思わせるスケール感だった。組石造なのか?余計に中身が気になる。独特な雰囲気があって長居はしなかった。

破格の自販機群
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100円自販機、昔はもっとあった気がするけど最近はめっきりみなくなった。
コンビニで朝食を済ませ、いざ長万部へ。

休憩

伊達から長万部方向へ進むとそこそこ厳しめの峠があった。しんどいとは感じたが越えられないとは思わなかったので難なく越えられた。

その後は

山中へ進む37号線の途中から海岸沿いに延びる608号線へ乗り換えて山を迂回した。
大岸あたりで休めそうなビーチを見つけた。
ナイスビーチ
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人気がなくて波も穏やか。
準プライベートビーチですなあ。
海岸を眺めながらさっきのコンビニでかったパンを食べる。
トンネルとトンネルの間にビーチがあるのはなんか珍しい。
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良い波。
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そこから

ゆっくり走って長万部についた。

お昼

長万部で食べたいものがいくつかあった。とりあえず入れそうなところに入る。

デリ57


席がいっぱいで偶然居合わせた東京から来た大学生と相席。電車に乗り継ぎながら写真をとる旅をしているらしい。ここから北上していくそうだ。法学部に在籍とのことで法学系の院生の生態や学期末の試験とかのことや、趣味の写真の話等いろいろ話を聞いた。説明能力が高くて話も面白いから、待ち時間があっという間だった。
注文したカツカレーが到着。
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無水気味のどろどろ系カレー。口のなかにまとわりつく濃ゆい感じがたまらない。ペロッと一皿食べれた。

ごちそうさまでした。


外に出て自転車を見せたらひたすら驚いていた。きっとこれが一般的な反応なんだろうな。
記念にツーショットを撮って別れた。


昼過ぎだけれど早めにキャンプ場に入ることにした。

長万部キャンプ場
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市街地から少し外れにあるけど、ロケーションやトイレの面ではかなり良い場所だと思う。

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せせらぎが気持ちよく川の近くにテントはろうか考えたが、虫が多くなると思ったので少し内側にはった。キャンプ場はかなり広く、全貌が見えない。遊具もあって、川で遊ぶ子供たちもいた。
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長万部風呂

市街地に戻って長万部温泉に向かった。
風呂は岩ぶろで熱い方ととても熱い方の2つのみという潔い風呂だった。地元のおじさんと交流したり、あとから来た66歳のチャリダーと話したりして楽しんだ。

温泉で一緒だったおじさんにもらった。
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一本だけ飲んだ。

上がりの一杯おかわり
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久々にみた。ビンコの自販機。

蓋はここに引っ掻けて外す。シュポンッと。
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やっぱビンのやつはうまい。


夕飯をコンビニで買ってキャンプ場に戻った。
今日は、午前しか走っていないからかもしれないけれど、気持ちは保ったままたどり着けたと思う。確かにゴールは間近だけどやることは変わらないんだと、1kmごとにある標識を見て思った。


本日の進んだ距離は53km
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しばらく。でした。


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